
A.B.C―Zが主演する舞台「ジャニーズ伝説」が7日、東京・日生劇場で開幕する。7月に亡くなったジャニー喜多川さん(享年87)の原点といえるジャニーズ事務所第1号アイドルの軌跡を描く。2013年の初演から5度目の上演。“ジャニーズ大好きジャニーズ”の河合郁人(31)は「一人でも多く、この歴史を知ってもらいたい」と力を込める。今作から「ジャニーズアイランド」の滝沢秀明社長(37)も新たに演出に加わり「ジャニーズの未来」をテーマにする。グループの未来、そして自身の未来について語った。(畑中 祐司)
開幕に向けて稽古を重ねる日々が続く。5度目の上演を迎える中でも、河合は改めて新鮮な思いで“伝説”の重みを受け止める。
「僕たちにとっても、見る人にとっても、ジャニーズの“教科書”のような作品。ジャニーさんは本も出していないし、映像にもなっていない。この舞台でしか教われないものがいっぱい詰まっている。僕たちにとっても、すごく大事な“場所”なんです」
初代ジャニーズの“幻の全米デビュー曲”にまつわる秘話が題材。過去4作では、戸塚祥太(32)がマネジャー役(ジャニー喜多川)を演じたが、今回は違う。自身もアイデアを出しながら、新たに演出に加わった滝沢氏と話し合って決めたことだ。
「ジャニーさんって、どこかファンタジーの人。本当にいるのかいないのか不思議な存在だったのが、お亡くなりになったことで、みんなが『ジャニーさんっていたんだ』ってなった。だからこそ、ジャニーさんを登場させるのはリアルすぎるんじゃないかと」
生涯、裏方に徹したジャニーさん。その遺志をくんだ発想を盛り込んだ。戸塚は、出演するジャニーズJr.たちにジャニーズの話を伝える役どころに変わった。
「もともと、ジャニーさんは『(自分の役を)やって』という感じじゃなく、僕たちがこっそりやっていたもの。滝沢くんとも話していて、ジャニーさんが(スポットを当てるのを)嫌がるんじゃないか、と。どことなく、ジャニーさんが俺たちに教えてくれたみたいに。そう見えたらいいなと」
2幕では、5人とジャニーズJr.によってジャニーさんが作り上げた数々のジャニーズのグループのメドレーを繰り広げる。選曲は河合によるものだ。
「メドレーはこれまでもやってきたけど、今年は曲数も増えて、今までのジャズアレンジと違って原曲のまま。原曲の方が音から時代の変化、音の進化も感じてもらえると思う。初代ジャニーズからKing&Princeまで。ただ、僕が“ジャニーズ大好きジャニーズ”なので、かなりマニアックになっているかも。カウントダウンライブとかでも見られないようなメドレーになっていると思います」
河合にとって膨大な候補曲からの選曲も、これほど至福の時間はない。
「一人で考えて音を聴きながら考えるのは、すごく楽しかった。一番こだわったのは『タッキー&翼』の楽曲ですかね。それこそデビューする前、僕たちもバックについて踊っていた曲。その曲は最近、後輩たちもカバーもしないので、そこは入れたいなと思って」
初代ジャニーズから始まった、ジャニーさんが築いた半世紀以上にわたるジャニーズの歴史。今年は滝沢氏、メンバーの考えで新たに「未来」も題材に取り入れる。ジャニーさんが亡くなっても「止まらずに、前に」という思いがある。ジャニーさん亡き後、滝沢氏と同席したKinKi Kids・堂本剛(40)に今作のための新曲制作を依頼。9月中旬に、振り付けも含めて「完成」した。
「想像していたものと、いい意味で違いました。ポップな感じが来るのかなと思っていたんですけど、全く違う世界観。堂本剛くんに、こういう世界観もあるんだっていう曲で、ビックリしました」
剛が手がけたのは「未来のジャニーズが歌う曲」という壮大なテーマ。剛が仮歌も入れて、5人の元に届けられた。
「一回聴いたら覚えられる曲。愛がすごく詰まった、剛くんのジャニーズ愛が詰まった曲になっていると思います。本当に天才だなと。何回聴いても、涙を流すのを我慢するような曲。これから剛くんにも直接、ディレクションしていただく。剛くんが仮歌を歌ってくれていて、その時点で完成しちゃっているけど」
クライマックスに、出演するジャニーズJr.も総出演で同曲を披露するという。
「本番がどういう感じになるのか楽しみ。人数感と、大人から子供まで一緒に歌うので、曲の世界観にもぴったり。ああ、ジャニーさんに見せたかったなと」
自身たちの未来に向けても「―伝説」は成長の場でもある。今年は出演するジャニーズJr.が倍増した。
「今までは8人ぐらいだったけど。滝沢くんからも『いろいろ教えてあげてね』と。今年の夏ぐらいにジャニーズに入りたての子たちもいる。それこそ、ジャニーさんにも会っていない子供たち。その子たちにも、ジャニーズを知ってもらうためにも、楽しくできる現場にしています」
客席だけでなく、後輩たちにもジャニーズを伝える意識で稽古から取り組んでいる。そこにも“ジャニーズイズム”がある。
「一緒にモノを作ったり、まとめたりするとき、どこか怒ってたりしていた方が、みんな聞いてくれるのかなと思っていたときもあった。でも、そうじゃなく同じ目線でないと。ジャニーさんがそうだった。どの年齢でも同じ目線で話すのがジャニーさんだった。その教えもしっかり考えながら、ちっちゃいJr.の子たちも、お兄ちゃんのJr.たちも、みんなで一つのモノを作れるようにしないと。まだ小学生のJr.とかに『河合さん』とか言われて、ちょっとさみしいけど。もっと距離を縮めないと」
ソロとしては今年春に舞台「トリッパー遊園地」で単独初主演を経験した。
「そこでコミュニケーションが大事だとものすごく感じて、すごく刺激的でした。いまだに連絡を取り合ってみんなで舞台を見に行ったり。そういう関係を作ると、いいところもダメなところも言い合える。今回の舞台もそう。なるべく後輩ともたくさん話して聞いて解決していかないとと思えるようになりました」
自身の未来に思いをはせ「自分の名前がつくようなMC番組を、いつかは」と夢を掲げた。
「そのためにもコミュニケーションが大事。初代ジャニーズの皆さんのように、出会いを無駄にしないで、自分も大きく成長できるように。いろんな経験をしていきたいし、そのためにも主演舞台はすごく大きかったです」
グループとしても、まだ発展途上。ジャニーさんは、昨年の上演の際に「僕はA.B.C―Zのファンだから」と言葉を向けた。
「『A.B.C―Zは、どの会場でもその会場で100%演出して、パフォーマンスができるグループだから』ってことも、すごく言われていた。当たり前のことだけど、どこでも100%のパフォーマンスができるグループに。そして、今回の舞台を通しても、一人でも多くジャニーズの歴史を知ってもらいたい」
9月4日、東京ドームでジャニーさんのお別れ会が行われた。河合は、そこで今作の成功を誓った。
「今、思うと『ファンだから』というのも意味ありげな言葉。すごくいい言葉で“喝”を入れてくれた。だったら、自分たちももっとやらないと、と。ジャニーさんの物語を自分たちがこうやって残せていることも、より実感できた言葉。今年はよりメンバー5人とも、今まで以上に引き締まって物作りしているし、絶対にこの作品は他の誰にも渡したくないです」
◆河合 郁人(かわい・ふみと)1987年10月20日、東京都生まれ。31歳。99年5月ジャニーズ事務所入所。2001年からJr.として前身「A.B.C」で活動し、08年に現グループ。Jr.時代は舞台「滝沢演舞城」などに出演。12年2月「Za ABC~5stars~」でジャニーズ初DVDでデビュー。同時に主演舞台シリーズ「ABC座」を旗揚げ。14年にグループでテレビ東京系連続ドラマ「魔法★男子チェリーズ」主演。16、18年に橋本良亮と舞台「コインロッカー・ベイビーズ」にダブル主演。
◆ハロウィーンに新曲で「踊って」
A.B.C―Zは先月25日にシングル「DAN DAN Dance!!」を発売した。2年目を迎える東京ジョイポリスとのコラボレーションイベントのテーマソング。河合は「70年代のディスコな雰囲気があって、いろんな世代の方に楽しんでもらえると思う。70年代を知っている方にも聴いてもらいたいです」と願った。
昨年8月の「JOYしたいキモチ」に続くジョイポリスとのコラボ曲。「明るい曲というより、大人の今のA.B.C―Zだから出せる大人の明るさ。おしゃれな雰囲気もある。これからハロウィーンもあるので、ピッタリな曲。踊りも覚えて、みんなで覚えて踊ってほしい」と盛り上がりに期待した。
2019-10-05 05:00:00Z
https://hochi.news/articles/20191004-OHT1T50125.html
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