そのスピード感に、彼の挑戦心が表れているのかもしれない。
ポスティングでのメジャー移籍を視野に入れているDeNAの筒香嘉智外野手が、同制度の申請に早くも入った。昨季、同じ制度を利用した菊池雄星が12月に入ってからだったのに対し、かなり早い段階で手続きに入ったと言えるだろう。
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日本人がメジャーに挑戦する方法はポスティングとFAしかないが、メジャーのスカウトの中には、日本人選手の本気度をなかなか読み取れないという人もいる。過去に「メジャー挑戦」をカードに、日本での長期契約を結んだケースも多かったからだ。
事実、「世界野球プレミア12」の大会中、あるメジャーのスカウトから「秋山翔吾の本気度が見えない」と吐露された。バッターとしてさらなる成長を目指している秋山は、メジャーという舞台に新たなる可能性を見出しているはずだが、メジャーの中にはそう見る人もいる、ということである。
夢ではなく、現実的にメジャーへ。
その意味で、筒香選手のスピード感は、メジャーと契約したいという強い気持ちが表れたものだろう。FAになったメジャーリーガーたちの動向を注視していた菊池とはまた異なるケースだ。
そもそも筒香は、昔からメジャーを目標としてきた選手だ。それも、プロに入って結果が出てから憧れたタイプではなく、プロに入団する時にはアメリカを目標の到達地点として設定していた。
それは、ただ「夢」「憧れ」として掲げてきただけではなく、どうすればメジャーの舞台で活躍できるかを考え続けてきたということだ。
日本人野手はメジャーでは苦戦することも多いが、特に苦しいと言われるスラッガータイプとして、メジャーで成功していくために何が必要なのかを考えて、取り組んできた選手なのだ。
プロ入り2年目に始まった試行錯誤。
プロ入り2年目のオフ、ロサンゼルスの施設にトレーニングに出向いて本場を体験。メジャーへの取り組みはこの時から熱を帯びた。
当時の経験を筒香はこう語っている。
「新しいバッティングスタイルをみつけるために、トレーニングからすべてを変えました。初めて練習法と考え方を教えてもらったとき、この取り組みを続ければ、絶対今よりいいバッティングができると確信できました。それまでのバッティングでも数年は打てたかもしれませんが、壁にぶち当たっていたと思います」
横浜高校時代は通算69本もの本塁打をかっ飛ばした筒香だが、その実績が「金属バット」によるものだと気付かされたと語ったことがある。木のバットで、メジャーの地でも通じる真の技術力を磨かなければいけないという思いを持った。
技術習得には時間を要したが、2014年に一気に成績を伸ばすと、その後も彼の技術は年々進化していった。そして結果を残せば残すほどに、彼の心はますます世界へと傾いていった。
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2019-11-20 10:01:09Z
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