フィギュアスケートで18年平昌冬季五輪女王のアリーナ・ザギトワ(17=ロシア)が13日に政府系テレビで競技活動の休止を表明した。これに対して同国のフィギュア界の重鎮がさまざまな発言をしたことに、ザギトワを教えるエテリ・トゥトベリゼ・コーチら指導陣が反発し、前代未聞の泥仕合の様相を呈している。

06年トリノ五輪王者のエフゲニー・プルシェンコ氏は「アリーナの休止は(今後の)コーチをはっきりさせるためでもあるだろう。別のコーチの下に行く可能性を排除しない」と指摘。かつて浅田真央が師事したタチアナ・タラソワ氏は「五輪女王の競技人生の長さが(シニアに上がって)たったの3シーズンと測定されてしまうのが残念だ」とコメントした。

ザギトワのコーチ陣は公式インスタグラムでプルシェンコ氏に「一人の選手も育てていないあなたをコーチと呼べない。アリーナの勧誘にも失敗した」と応酬。タラソワ氏には「アリーナは10シーズンを競技した選手よりも大きな結果を残した」と主張し「多くの批判は愛情ゆえだろうが、われわれの他の選手(今季台頭したアリョーナ・コストルナヤら)への愛情や心配は控えめにしてほしい」と要望した。

プルシェンコ氏は指導陣の書き込みに「あまりに粗暴で驚くばかりだ」と自身のインスタグラムに投稿。「アリーナを自陣営に誘ったこともない」とした上で「あなたたちは誰をゼロから育てたのか。3回転ジャンプを跳べる子どもたちだけしか受け入れていないのは有名なことだ」と言い返した。(共同)