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新手の「せどり」が映す「誰でも稼げる時代」の幕開け - 日経ビジネス電子版

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旬の「あの人」と対話ができる。参加者同士でつながれる――。2月、日経ビジネスは記事やイベント、動画を組み合わせた新しいコンテンツ「Raise LIVE」をお届けします。あなたも、このコミュニティの一員になりませんか。

月曜日は記者の島津翔が「多様化する稼ぎ方、達人が明かす秘訣」と題した連載とイベントを担当します。

新しいサービスやテクノロジー、カルチャーが生まれると、それを使った新たな稼ぎ方も生まれます。例えばCtoC(個人間取引)サービスの登場によって、これまで価値がないと思われていたスキルやモノに値段が付くようになりました。モノの価値をすぐに見える化するサービスによって、値札と実際の取引価格の差分で稼ぐ転売が誰でもできるようになりました。現代は、稼ぎ方が多様化した時代。それぞれの達人に取材し、どんなモノに価値が付くのか、どうやって稼いでいるのかを明らかにしていきます。

[Raise LIVEのトークイベントに申し込む]

 「神保町ブックフェスティバルで、新手の『せどり』が横行したらしい」

 本連載は、企画会議で先輩記者が漏らしたこんな噂から始まった。「せどり」とは、辞書によれば「同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、手数料を得ること。または、それを生業にする人」を意味するが、一般的には掘り出し物の古本を転売して、その利ざやで稼ぐことを指す。

 せどりはこれまで、様々な希少本の取引価格を頭にインプットし、かつ、どの古本屋で売れば高値で買い取ってくれるかを把握しなければならず、ある種の「職人」が担っていた。豊富な知識がせどりの前提だった。

 しかし、その前提が崩れた。この数年で、せどり専用のスマートフォンアプリが現れたからだ。アプリを起動して書籍のバーコードを読み取れば、オークションサイトなどでの中古価格の相場を自動的に調べ、すぐに画面上に表示する。豊富な知識を持たずとも誰でもすぐに相場が分かるようになり、せどりが“民主化”されたわけだ。

毎年10月から11月に開かれる神保町ブックフェスティバル。新手の「せどり」が横行しているという(写真:アフロ)

 神保町ブックフェスティバルに参加した出版社の社員はこう言う。「この3、4年で、急激にアプリを使ったせどりが増えた。中には堂々と、端から端まで1冊ずつ裏表紙のバーコードを読み込んでいくせどりもいて、一般のお客さんが迷惑していることもあった。社内でも議論したが、転売しているかどうかを出店者側で把握しようがなく、現状では手の打ちようがないという結論になっている」

 不用品などを転売する行為は違法ではないが、中古品を転売目的で仕入れ、ビジネスとしてせどりをする場合には古物商許可が必要になる。ただ、出版社社員が言う通り、転売目的で買ったのかどうかを確かめるのが難しいため、取り締まりの網をくぐり抜けて転売ビジネスが横行しているのが実態だ。

 「新たなせどり」には違法性が残るが、可能性も秘めているように思える。それは、新しいテクノロジーやサービス、カルチャーという「場」で、新たな稼ぎ方が生まれるという観点だ。

 例えば、自分の経験や技術を売る「スキルシェア」プラットフォームの登場で、それまでは所属する会社の中で閉じていた様々なスキルに「売値」が付くようになった。この連載で明らかにしていくが、意外なスキルが人気を集めている例も多い。

 メルカリのようなフリーマーケットサービスの登場で、不用品がすぐに売れるようになった。注意深く見ていくと、「なぜこんなモノに値が付くの……?」という例が山ほどあることも分かってきた。

 スキルや不用品を売買するだけではない。Youtubeなどの動画配信、noteなどのコンテンツプラットフォームの登場で、誰でもクリエーターとして稼げるようになった。Airbnbは“宿”を、スペースマーケットは空間を、akippaは駐車場を貸すことで利益を上げられるようになった。眠っていた場所に価値が生じたわけだ。

 「ネット上の口コミ」というカルチャーが生まれたことで、大量にレビューを投稿して小銭を稼ぐという商売も生まれている。

 こうしたサービスは、利用者の利便性を向上するだけでなく、個人に稼ぎ方の選択肢を提供しているとも言える。共通しているのは、それまで「価値がない、値が付かない」と思われていたものが他の誰かにとっては「宝物」に変わるという点だ。普段は目に留まらない場所で、新しい経済圏が次々に生まれている。

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January 20, 2020 at 09:03AM
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