太陽に照らされた砂漠で繰り広げられるラクダのレースの勝敗で金を稼ぐボードゲーム「キャメルアップ」のリニューアル版がホビージャパンからリリースされています。元は2014年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞したゲームということで、実際にラクダレースの熱狂に包まれてみました。
キャメルアップ(2019年版) | | ANALOG GAME INDEX
http://hobbyjapan.games/camel_up_2019/
◆内容物&ゲーム準備
パッケージはこんな感じ。
対象年齢は8歳以上、プレイ人数は3人~8人、プレイ時間は30分を想定。
箱の中に入っているのはゲームボードとルール説明書、各コンポーネント。
ゲームボードを開くと、まるで飛び出す絵本のようにヤシの木がにょきっと生えました。ゲームボードに描かれている16マスのレース場は1のマスがスタート地点で、時計回りに進めるようになっています。
コンポーネントは箱にきれいに収まっています。
まずは5色のレグ投票タイルをゲームボードに配置します。
レグ投票タイルは以下の画像の順番で重ねる必要があります。
次にピラミッドタイル5枚をゲームボードに配置。
ラクダレースの勝敗でゲットするコインはこんな感じ。単位はエジプトポンド(EP)で、1EPと5EPのコインが用意されています。
ゲームで利用するコインをゲームボードの横に配置。コインはゲーム中で頻繁にやりとりするので、小皿に入れておくのがおすすめ。
続いて最終予想カードと観客タイルをプレイヤーに配布。今回は8人でプレイします。
さらに、協力カードを各プレイヤーに配布します。協力カードは、プレイヤーの顔イラストが大きく描かれた面を表に向けて、手元に配置。
レース場を走り回るラクダ5色と各色に対応したダイス(サイコロ)。ダイスは1と2と3の目が2面ずつある6面ダイスです。
ゲームの準備として、5色のダイスを振り……
出た目と同じゲームボードのマスに、ダイスと同じ色のラクダを配置。同じマスにいるラクダは重ねます。ラクダの形はピッタリ重なるようなデザインになっています。なお、どの色のラクダを上にするかは適当に決めてOK。
さらにレースをかき乱すのが、白と黒の「イカれたラクダ」です。
イカれたラクダには1と2と3の目が白黒で書かれた4面ダイスが対応しており、5色のラクダと同様にダイスの目に応じてゲームボードのゴール手前に並べます。ただし、イカれたラクダはレースとは逆方向に大暴走するという役目なので、反時計回りに進むように配置します。
そして、レース場のまん中にそびえ立つのがダイスピラミッド。
ピラミッドの天頂部は取り外せるようになっていて……
6種類のダイスを中に収めます。ゲーム中ではこのダイスピラミッドを使ってダイスを振るというわけです。キャメルアップではレースの勝敗以外に「レグ」と呼ばれる区間での結果で賭けを行うことが可能で、レグは「6つのダイスのうち5つのダイスが振られるまで」で区切られます。
スタートプレイヤーが受け取るスタートプレイヤーマーカーはツタンカーメンの仮面のようなデザインですが、よく見ると顔がラクダになっていました。
◆8人でプレイしてみた
プレイヤーは時計回りに手番を回します。8人プレイの場合、各プレイヤーは手番中に「観客タイルの配置」「ピラミッドタイルの獲得」「レグ投票タイルの獲得」「協力」「レースの最終予想」という5つのアクションのうち1つを実行可能。5色のラクダのうち1頭がレース場を1周した時点でゲームが終了となり、最も大金を稼いだプレイヤーの勝利となります。
「観客タイルの配置」は、各プレイヤーが1枚ずつ持っている観客タイルを、レース場の空いているマスに配置することができます。ただし、他の観客タイルに隣接はできません。タイルには「+1」あるいは「-1」という数字が書かれていて、どちらかを表に向けて配置。
「ピラミッドタイルの獲得」は、ゲームボードに置かれているピラミッドダイスを獲得し……
ダイスピラミッドを手に取ります。ダイスピラミッドを逆さにしてよく振ってから、ふたたびひっくり返してピラミッド側面にあるボタンを押すと……
ダイスが1つ振られます。今回は青色のダイスで、出目は3。振ったダイスはゲームボード上に並べていきます。
ダイスに従い、青色のラクダを3マスを動かします。ラクダを動かすとき、もし上にラクダが乗っていたら一緒に移動することになるというのが、キャメルアップで繰り広げられるレースの特徴。
しかし、3つ進んだ先には「-1」の観客タイルが配置されていました。ラクダが止まったマスに観客タイルが置かれていた場合、「+1」であれば1マス進み、「-1」であれば1マス戻ります。そのため、青色のラクダたちは1マス戻り、黄色のラクダの上に乗ります。なお、同じマスでラクダが重なっている場合、上に乗っているほど順位は上。つまり以下の画像で暫定1位のラクダは紫色のラクダとなります。
「レグ投票タイルの獲得」は、ゲームボードに置かれているレグ投票タイルのうち、そのレグで1位になると予想したラクダの色に応じたものを1枚ゲット可能。例えば以下のレグ投票タイルを獲得したプレイヤーは、紫色のラクダがレグ1位であれば5EP、2位であれば1EPを獲得できます。ただし、予想が外れて3位以下だった場合は1EPを支払わなければなりません。
レグ投票タイルの勝利金額は少しずつ額が下がるため、レグ投票タイルは基本的に早い者勝ち。しかし、「協力」することで他のプレイヤーとレグ投票タイルを1枚だけ共有することができます。協力を申請するには、相手の協力カードと自分の協力カードを交換し、握手のイラストが描かれた裏面にひっくり返して手元に置きます。なお、「協力」ではありますが、申し出を受けたプレイヤーは申請を断ることはできません。
「レースの最終予想」は、手元にある最終予想カードから、このレースで最終的に1位あるいは最下位になるであろうラクダの色のカードを選び……
最初に1位のラクダを的中させたプレイヤーは8EPを獲得、2番目に1位のラクダを的中させてプレイヤーは5EPを獲得、というように予想した順番に応じて獲得金額は下がっていき、5番目以降は1EPで横並び。また、投票しても外れていた場合は-1EP。大きく稼ぐためには当てるだけではなく、他のプレイヤーより早く予想することが重要です。
ダイスピラミッドに入っている6つのダイスのうち、5つがゲームボードに並んだら、その時点でレグは終了となり、レグ投票タイルのチェックを行います。
このレグの場合は、1位が紫、2位が赤、3位が青、4位が黄、5位が緑という結果になりました。
以下のプレイヤーはピラミッドタイルを1枚、赤色のレグ投票タイルを1枚獲得しています。ピラミッドタイルは1枚につき1EP獲得し、赤色のラクダが2位だったため、1EPを獲得。合計2EPを獲得することができました。
以下は、レグ1位だった紫色のレグ投票タイルを獲得した2人のプレイヤーがお互いに協力していたパターン。左のプレイヤーは自身のレグ投票タイルで2EP、そして協力した右のプレイヤーのレグ投票タイルで5EPを獲得し、合計で7EPを稼ぐことに成功しています。同様に右のプレイヤーも、自身のレグ投票タイルと左のプレイヤーのレグ投票タイルで合わせて7EPを獲得。なお、レグ投票タイルは対象ラクダが3着以下だった場合は-1EPの支払いですが、協力によるEP獲得は「してもしなくてもOK」なので、マイナスの場合はスルーすることができます。もともとノーコストで協力申請できるので、うまくやれば一方的に相手の投票に寄生することが可能です。
全プレイヤーのレグの精算が終わったらレグ投票タイルとピラミッドタイルをゲームボードに戻し、観客タイルを手元に回収し、ダイスピラミッドの中にダイスをすべて入れます。どれかのラクダがレース場を1周するまで、このレグを繰り返すというわけです。
以下の場面は、逆走している黒のイカれたラクダに、最後尾である黄色のラクダが乗っかってしまったところ。
次の手番でダイスが振られたところ、黒の1という目が出てしまいました。
黒いラクダは1マス分逆走します。もちろん上に乗っている黄色のラクダも1マス戻されることになってしまいます。
「これはほぼ黄色のラクダのレース最下位は確定だろう」と確信した次の手番のプレイヤーは、「レースの最終予想」で黄色の最終予想カードをゲームボードに配置します。
しかしその後ダイスが振られ、黄色の3の目が出ました。
黄色のラクダが3進んだことで、その時ちょうど3マス先にいた緑色のラクダの上に、ほぼ最下位だろうと思われた黄色のラクダがが乗っかりました。これで暫定最下位は下にいる緑色のラクダとなってしまうという展開。
結局、緑色のラクダが黄色のラクダを追い越すことができないまま、先頭を走っていたラクダ集団が1周してレースが終了。1位が紫、2位が赤、3位が青、4位が黄、5位が緑という結果で確定しました。
最終予想カードを見てみると、なんと同一プレイヤーが見事に1位と最下位の予想真っ先にピタリと的中させ16EPを獲得。途中経過ではレグごとに稼いだプレイヤーが優勢でしたが、最後に大逆転して勝利を収めました。接戦の場合、最終予想できっちり稼げるかどうかで差がつくので、うかつな投票はできません。
別のゲームでは、すべてのラクダが1マスに集い、縦に5頭重なるという場面も。
ラクダたちは終盤までデッドヒートを繰り広げましたが、ゴール手前で緑色と黄色のラクダが前に飛び出しました。
「これは1位黄色&最下位紫色で確定か……?」と全員が予想。しかし、その後続いて振られたダイスによって、青色ラクダが先頭に躍り出て、赤色のラクダが引き離されるという事態に。終盤でのまさかの大番狂わせにプレイしている編集部員全員が一喜一憂。
そして、青色のラクダを乗せたまま、緑のラクダが進んだことでレースの決着が付きました。
なお、最下位をピタリと当てたプレイヤーは「どうせなら最初から運任せでびしっと当てる!」と、まったく情報のないレース最序盤から最終予想に賭けており、まさに自分の運だけで8EPもの大金を引き寄せていました。
キャメルアップは「ノーリスクで予想して、当てれば賞金がもらえる」という内容で、「あらかじめ金を支払って、勝てば倍率に応じて大金をゲットする」という一般的な競馬などのレース賭博のルールとは違います。しかし、ダイスの目によってコロコロと変わるラクダの順位をかたずを飲み込んで見守るというのは思わず熱が入ってしまうもの。また、ダイスの確率やラクダの位置から理論的に予想することもでき、全くの運任せというわけでもありません。
もちろん勝利するためにはダイスの目とレースの展開を読むことが非常に重要ですが、最終的にはダイスによる確率にレースが左右されるため、理論だけではなく自分の運を信じてギャンブルに身を任せるプレイもあり。「これは黄色が1位確定だな……」「いや、赤色が出れば逆転もありうるぞ」など、各プレイヤーの予想が盤上を飛び交うので、キャメルアップは多人数でワイワイと騒ぎながらプレイするのがおすすめです。
キャメルアップ(2019年版)はAmazon.co.jpで購入可能。価格は記事作成時点で税込5136円です。
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April 29, 2020 at 09:14PM
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