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明治座150周年を豪華に祝う 6年ぶりに歌舞伎公演 4月8日から ... - 東京新聞

明治座150周年を祝い鏡割りをする(右から)片岡孝太郎、中村又五郎、中村梅玉、中村芝翫、松本幸四郎、片岡愛之助

明治座150周年を祝い鏡割りをする(右から)片岡孝太郎、中村又五郎、中村梅玉、中村芝翫、松本幸四郎、片岡愛之助

 東京・明治座が創業百五十周年を迎える四月、六年ぶりに歌舞伎公演を行う。人間国宝の中村梅玉(76)をはじめ、中村芝翫(しかん)(57)、松本幸四郎(50)ら豪華な顔ぶれが記念の舞台を彩る。梅玉は「令和の歌舞伎の第一線で活躍する後輩たちと、先輩たちに負けない良い舞台をお見せできれば」と意気込む。 (林朋実)

 「壽祝桜(ことぶきしゅくおう)四月大歌舞伎」と題した記念興行は昼夜二部構成。昼の部(午前十一時開演)は「義経千本桜 鳥居前」「大杯觴酒戦強者(おおさかづきしゅせんのつわもの)」「お祭り」の三つの演目でにぎやかにことほぐ。

 「義経千本桜」で、佐藤忠信実は源九郎狐(げんくろうぎつね)を演じるのは片岡愛之助(51)。源義経の家臣として振る舞いつつ、時折狐の素顔を見せる役に「狐に変わる瞬間を見つけてくれたら」。

 酒豪二人の飲み比べを描く痛快作「大杯−」は、明治座の最初の座主・初代市川左団次のために劇作家の河竹黙阿弥(もくあみ)が書いた作品。興行上演は二十四年ぶりという。梅玉が演じる井伊直孝とともに、酒豪の原才助を演じる芝翫は「この人は最初から最後まで酔っぱらっている。本当に酔っているのか、策なのか、そういうところもちょっと入れていきたい」と語った。

 夜の部(午後四時開演)は「通し狂言 絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ) 立場の太平次」。近年は長く片岡仁左衛門(79)が演じてきた左枝(さえだ)大学之助とその配下の太平次という主役の悪人二人を、幸四郎が初役でつとめる。

 自分のたくらみのため次々と殺人を犯す二人。「肯定はしないが、誰でも持っている何かを行動に起こしてしまう。舞台の中でだけ許される世界。悪人だが、あくまで人間として描かれている」と幸四郎。大学之助を兄の敵(かたき)と狙う役の中村又五郎(66)は「悪は悪の、善は善の人間の性(さが)が描かれた作品。そこをご覧いただければ」と力を込める。

 五代目幸四郎が江戸時代後期の文化七(一八一〇)年に初演した、鶴屋南北のあだ討ち物の代表作。演じる際に特徴的なほくろを左の眉尻に付けて五代目に敬意を表する慣習がある。幸四郎の父の松本白鸚(80)、祖父の初代白鸚(故人)も上演してきた作品で、太平次に利用される蛇使いなどを演じる仁左衛門の長男・片岡孝太郎(55)は「父は今回、作品をお返しするような気持ちだと言っていた。今の幸四郎さん、先輩方と一緒に、新しい『絵本合法衢』をつくれたら」と前を見据えた。

 四月八〜二十五日(十七日休演)。明治座チケットセンター=(電)03・3666・6666。

<明治座> 1873年、現在の中央区日本橋久松町に「喜昇(きしょう)座」として開場。93年、座主の初代市川左団次(1842〜1904年)が「明治座」に改称した。関東大震災や東京大空襲で焼失しながらも、日本橋浜町に移り、歌舞伎や新派などの芝居、歌謡ショーを上演している。


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