新しいホテルはその視覚的そして臭覚から(ときに聴覚からも…)、リフレッシュとともに自らがステージアップしたことを体感させてくれる…実に魅力的な空間です。これを旅をする一つのきっかけにしている人も少なくないはず。
ですが、素晴らしいと評価されるホテルの中には、何十年にもわたり愛され、その街の代名詞となり、多くの人がそこを訪れる唯一の理由となっているようなホテルもあります。そこで今回は、エスクァイアUS版編集部がそのようなホテルを厳選して皆さんにご紹介します。
このリストの対象となったのは、オープンしてから5年以上経過しているホテルです。中には25年以上続いているホテルや、1910年にオープンした老舗ホテルもあります。しかし、単に5年以上にわたって営業を続けてきたというだけでは、ふさわしくないでしょう。現地のコミュニティで不変の存在となり、その地域を形づくり、象徴となってきたホテルである必要があります。
地域の中で偉大な存在であり続けることは、その期間にかかわらず容易なことではありません。ですが、それを何年も続けるというのは本当に驚異的なこと。しかも、これからご紹介する5つのホテルは、今後もその勢いが衰えることはないでしょう。—エスクァイアUS版編集部 マディソン・ヴェイン
ラス ベンタナス アル パライソ ア ローズウッド リゾート
メキシコ ロスカボス
創業から四半世紀が経った今でも、ロスカボスに泊まるならここが一番です。広々とした客室には温かみのある装飾が施され、そのサービスに関しても多くの旅行者たちから高評価を得ています。敷地内にある隠れ家バー「La Botica」は、タイプライターのあるボタンを押すとドアが開くという仕掛けでキューバのバンドやマジシャンが登場し、夜遅くまで楽しめます。
もちろん、7つのプールや海に面したインフィニティプール、さらにはビーズクッションの置かれた芝生、この町で一番のレストランという「Arbol」もあります。
ですが、このホテルの魅力はそれだけではありません。メキシコへ逃避行をしている気分を強く味わえる場所であり、この国のスタイル、装飾品、自然の美しさを見事に取り入れているため、地元のあふれるさまざまな魅力に包まれているかのような感覚に…。何度も訪れたくなること間違いないでしょう。— マディソン・ヴェイン
「ラス ベンタナス アル パライソ ア ローズウッド リゾート」公式サイト
グランド ホテル トレメッツォ
イタリア・ロンバルディア州 コモ湖
コモ湖のグランド ホテル トレメッツォにチェックインすると、まず赤いバラが目に飛び込んできます。銀色の巨大な壺や大きな花瓶に入ったバラが、暖かい湖の風に吹かれながらホテル全体を埋め尽くしているのです。しかも、毎晩交換されています。
とは言え、この美しいバラたちに関して、ラグジュアリーを誇るホテルが擁する魅力のほんの一部でしかありません。1910年にベル・エポック(19世紀末から第一次世界大戦が勃発する1914年までのパリを中心に文化や芸術が繁栄した華やかやな時代)を生きる上流階級の人々が集う場所としてオープンしたこのホテルグランド ホテル トレメッツォは、まさにコモ湖の宝石のような存在なのです。そして、年を重ねるごとに美しく存在感を増していきました。
アール・ヌーヴォー様式の華やかな建物と、昔ながらのホスピタリティは今も健在ですが、現代風にアレンジされたこのホテルは世界中を飛び回っている若者たちの心を惹きつけてもいるのです。インフルエンサーたちは水上プールで自撮りをし、ハネムーンを楽しむ裕福な若いカップルはモダンに洗練されたルーフトップスイートに泊まったりしています。
次第に超高級ホテルへと進化していきながら、このホテルが愛され続けているのは、ぜいたくなエキスペリエンスを与えてくれるからでしょう。例えば荘厳な大広間で、銀の大皿に山盛りになった肉やチーズ、パンなどをビュッフェスタイルで楽しむ、イタリアンスタイルの朝食。そして、紺碧に輝く湖を眺めながらテラスで食事をしたり、錬鉄製(炭素の含有量が少ない鉄)ののどかなバルコニーでルームサービスの朝食を楽しんだり…。こんな素敵な時を過ごせたら、現実の生活には戻りたくなくなるはずです。 —エスクァイアUS版編集部 エイドリアン・ウェスタンフェルド
フォーシーズンズ ホテル アット ザ サーフクラブ
アメリカ・フロリダ州 サーフサイド
小さなオリジナリティあふれる玄関は親しみやすく、こじんまりとして、エレガント。最初は場所を間違えたと思うかもしれません。数え切れないほどの都市にある他のフォーシーズンズとは大きく異なりますが、看板と親切なベルマンを見ればやはり本物のフォーシーズンズだということがわかります。
珊瑚でできた階段を上がると、存在感のある梁(はり)を誇るロビーやヘミングウェイが頭を休めた塔が目に飛び込んできて、その壮麗さがさらに増していきます。酒の密輸者がバーを盛り上げ、フランク・シナトラがハネムーンに訪れた昔の「ザ サーフクラブ」(1930年にオープンした、各界の著名人が集っていた会員制の社交クラブ)の面影も残しています。それこそが、このホテルの要です。
食事はニューヨークを筆頭に人気を集めるイタリアンシェフ マイケル・ホワイトが新たに指揮をとり、贅を尽くしたパスタや非の打ちどころのないシーフードを提供する「リド」、またはアメリカを代表するシェフ トーマス・ケラーが手掛ける昔ながらの豪華なレストラン「ザ サーフクラブ」で楽しめます。また荘大な「リド」のバーでは、風を感じながらゲストが交流する地中海スタイルのラウンジで、見事なカクテルを飲むことができるでしょう。 ここでの交流は、昔ながらのアナログな感じがします。このホテルがオープンしたのは2017年のことですが、良いものに手を加えすぎてはいけないことを知っているのです。
しかし、客室やプールは華やかでエレガントなモダンな雰囲気。カバナ(直接ビーチやプールに出られるプライベートスペース)は建築家リチャード・マイヤーによるクリーンでクラシックなラインでそろえられ、ジョセフ・ディランドが手がけたインテリアは温かくもミニマルです。
「フォーシーズンズ ホテル アット ザ サーフクラブ」は、高層階での暮らしとカバナを同時に楽しむことができる場所となっています。つまり、2つの時代の長所を同時に満たしているのです。ギラギラした現代的なマイアミとは異なりますが、それがむしろ魅力になっています。「マイアミに来たのではなく、このホテルのためにこの地にやって来たのだ」とよく言われるほどです。—エスクァイアUS版編集部 ケヴィン・シンテゥムエン
「フォーシーズンズ ホテル アット ザ サーフクラブ」公式サイト
ザ コスモポリタン オブ ラスベガス
アメリカ・ネバダ州 ラスベガス
昔は、ラスベガスでのホテル選びは大変でした。海賊をテーマにしたホテルにするか、ピエロをテーマにしたホテルにするか…。しかし2010年、豪華な客室、多彩な食事とドリンクの選択肢、そしてゲストがハメを外せる雰囲気を備えたホテルとして誕生した「ザ コスモポリタン オブ ラスベガス」が、この問題を解決しました。
それから十数年、「ザ コスモポリタン オブ ラスベガス」はその茶目っ気のある精神はそのままに、独身お別れパーティーをする人も家族連れもF1ファンも一緒に楽しめるような場所へと成長しました。客室はリニューアルされ、食事やお酒のオプションは今でも他に類を見ません。
ニューヨークで絶大な人気を集めるレストラン「モモフク」、“LAセレブに愛される朝食”としてブームになった卵料理専門店「エッグスラット」、遊び心あるスイーツで注目の有名店「ミルクバー」が20メートルほどの間隔で並び、ホセ・アンドレスのレストランが2つにおまかせのテイスティングやメスカルの飲み比べができるスポットもあります。夜遅くまで熱々のピザを提供する隠れピザ屋も、今でもひっそりと存在しています。
怪しいスポットが絶えないこの街で、ここにはハズレがありません。「ザ コスモポリタン オブ ラスベガス」は、世界最高峰のマジシャン デビッド・カッパーフィールド並みのマジックをやってのけているのです。—エスクァイアUS版編集部 ダニエル・ドゥーマス
バリーファイン ディメイン
アイルランド リーシュ
石垣を過ぎて曲がりくねった車道を走り、なだらかな緑の丘の向こうから1820年代のギリシャ復興様式の邸宅が姿を見せ始めると、21世紀からたちまちタイムスリップした心地になります。この邸宅はもともとはとある家族が住んでいましたが、その後カトリックの男子中学校として数十年にわたる第二の人生を歩みました。しかし神父たちは、霧に覆われた天候からこの家の状態を守ることができなかったようです。
現在は、614エーカー(約2.5平方キロメートル)の広大な敷地に建つ全15室の5つ星ホテルとして、最大29人のゲストを受け入れています。クレー射撃、乗馬、そしてなんと鷹狩まで楽しめます。館内にはこの豪邸にぴったりのプールやスパルームがあり、ワインセラーでは昼からウイスキーのテイスティングができます。
地元でとれた肉や魚、壁に囲まれた庭で採れた野菜やハーブを使ったディナーの後は、階下に降りてお酒を楽しみましょう。 使用人用のホールだった場所がバーに改装され、ほどよく賑わっています。もしアイルランド人と交流したいなら、上にいたほうがよさそうです。「ザ セラー バー」のバーテンダーによると、「アメリカ人やイギリス人は地下に行くとエキゾチックに感じるけれど、アイルランド人は慣れているから魅力に感じない」のだとか…。
イングランド郊外の大邸宅で暮らす伯爵一家の内情を描き大ヒットしたドラマ、『ダウントン・アビー』の世界と比較せずにはいられないでしょう。ぜひどっぷり使って、「Splendid(素晴らしい)!」と声に出してみてください。1820年代気分を存分に味わえます。 —エスクァイアUS版編集部 デイヴ・ホームズ
source / ESQUIRE US
Translation / Yuka Ogasawara
※この翻訳は抄訳です
from "豪華な" - Google ニュース https://ift.tt/QHMyd8b
via IFTTT
Bagikan Berita Ini
0 Response to "エスクァイアUS版が厳選する海外ホテル5選 - Esquireエスクァイア 日本版"
Post a Comment