2年連続のGPファイナル(12月、イタリア・トリノ)出場が懸かる紀平梨花(17=関大KFSC)が79・89点を記録し、2位発進となった。シニア1年目のアリョーナ・コストルナヤ(16=ロシア)がSP世界最高の85・04点で首位に立った。

自国開催の声援を受け、演技直後の紀平が笑顔でうなずいた。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)はきっちりと着氷。フリップ-トーループの連続3回転を決めると、最後の3回転ループもこらえながら着氷させた。直前の6分間練習では不調のように見えた3回転半を修正し、演技をまとめきった。

「今日のプログラムは全てのジャンプを着氷することができて、高得点が出せたので、フリーにつながる演技だったと思います」

今季は第2戦スケートカナダで2位。シニア1年目のトルソワ(ロシア)に屈し、3月の世界選手権まで1位で駆け抜けた昨季の立ち位置からは少し変化した。4回転ジャンプや3回転半を操る選手がシニアに乗り込んできた今季、追う立場は「楽しいっていう訳ではないんですけれど。でも『せかしてやっていかないとな』っていう気持ちはあります」と刺激になった。

見据えるのは3年後だ。スケートカナダの一夜明けでは「(22年)北京五輪で勝つことを目標にずっとやってきている。今季、来季も優勝を狙っていける状況にしないと、北京五輪は難しい」と自らに言い聞かせた。世界最高峰の戦いとなるGPファイナルは、今大会で表彰台に立てば自力での出場が決まる。23日のフリーで、まずはその権利をつかみとる。