WBA世界ミドル級チャンピオンの村田諒太(帝拳)が23日、横浜アリーナでゴングとなるトリプル世界タイトルマッチのメインで、挑戦者8位のスティーブン・バトラー(カナダ)を迎えて初防衛戦を行う。
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戦前の予想はチャンピオン有利の見方が大勢を占めるが、はたして村田は期待通りに勝利を収めることができるのだろうか――。
村田の表情がすこぶる明るい。試合が決まって以降の毎週木曜日、村田はジムに報道陣を受け入れ、練習後には必ず取材に応じた。どの日に顔を出しても村田ははつらつとした様子で、前向きな発言を繰り返していたのが印象的だった。
その最大の理由は「トレーニングがうまくいっている」ということに尽きるだろう。
海外から計6人のパートナーを招へいして中身の濃いスパーリングができた。試合の1カ月以上前からコーヒーを絶ち、カフェインで練習前にテンションを上げて体力を使わないように配慮もした。
これはスパーリングで100パーセントの力を出すためで、前回7月のロブ・ブラント(米)との再戦前から実行している。
「相手が嫌になるまで殴る」
トレーニングの充実は、7月のブラント戦で攻撃スタイルが定まったことも大きい。
「ブロックしてプレッシャーをかけ、しっかり手を出して相手が嫌になるまで殴る」(村田)
昨年10月、ブラントとの1戦目に敗れたときは上体が起き、攻撃は単発に終わり、動くブラントを捕まえることができなかった。この試合の反省が、言葉にすればシンプルなスタイルの確立につながった。
芯が定まればトレーニングも定まり、どこかバランスが崩れたとしても修正がしやすい。うまく歯車がかみ合うようになったのだ。
挑戦者はパンチは強いが脆さもある。
そんな充実の村田に立ち向かう挑戦者のバトラーに目を向けてみよう。
バトラーは28勝(24KO)1敗1分の24歳。ニックネームは“バンバン”で、戦績が示すようにパンチ力には自信を持っている。
一方で、プロに入って唯一の敗北は7回TKO負け。村田のパートナーとして今回来日したビタリ・コピレンコとの今年5月の試合では、8回にボディブローでダウンを喫して辛くも2-1判定勝ちというから、打たれるともろいところがあるのも事実だ。
16日の公開練習でバトラーは早速、爆発的なパンチ力の一端を披露した。動きそのものにスピードは感じさせないものの、ゆったりしたリズムから突然力を入れて放つパンチは左右ともにかなりの迫力。
特に踏み込んでの右ストレートは予想以上に伸びてくる。右強打はなかなか危険だという印象を受けた。「爆発的な試合をお見せする」と言い放ったバトラーがどのようなファイトを仕掛けてくるのかは興味深い。
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2019-12-21 11:01:10Z
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