終身雇用のほころびが見えはじめ、「個の時代」という言葉がかなり浸透してきました。
定年まで30年以上も時間があるR25世代は、会社の一員としてではなく、個人として社会へと向き合う必要があります。
ただ、一会社員である自分がどうやって、社会と向き合う力・考え方を得るのか。
そこで、新R25が2月にお届けする特集「自己プロデューサーに学べ!」では、自己プロデュースに成功した先輩たちの書籍から、自分の武器を見つけるヒントになる考えをお届けします。
今回登場するのは、名古屋の超人気キャバ嬢として、東海地区で指名数・来客数ともに7年連続ナンバーワンの座に降臨しつづけたエンリケさん。
2019年11月末に引退するまでの間、自身のバースデーイベントでは3日間で2億5000万円の売上を記録し、現役時代の最高月収額はなんと1億2000万円。
Instagramのフォロワー数も46万人越えでテレビ出演も多数と、日本一稼ぐキャバ嬢として話題を集めました。
そんなエンリケさんが、競争率の激しい夜の世界で指名され続け、ナンバーワンになれた理由は何だったのか?
書籍『日本一売り上げるキャバ嬢の指名され続ける力』より職場や社会でまわりから抜きん出て、結果を残す方法をお届けします。
私がNo.1になれたのは、“さらけ出した”から
22歳のときに今のお店「アールズカフェ」に入りました。
「アールズカフェ」は名古屋の錦という繁華街にある老舗の高級キャバクラ。
先に入店した先輩たちに挨拶と気配りをして、新人としてスタート! 最初のころは、周囲に気を遣っておとなしくしていました。
あるときのことです。
お客様と同伴してお店に来ていただきました。
するとその方が、「えりちゃんて、同伴のときはおもしろいのに、店に来ると急につまらんがや!!」とおっしゃったのです。
たしかに当時はまだ入ったばかりなので、自分の本当の姿を見せず、ネコをかぶっていたのは間違いありません。
「といっても素の私を出すのはちょっとなぁ…。でも本当は窮屈だから素を出したいんだわー」と迷う私にそのお客様は、「一度、やってみやぁ」とおっしゃいました。
そこで思い切って、普段の私、つまり今の私ですが、ありのままの気取らないスタイルで接客してみました。
挨拶は、「エンリケです。よろしくお願いします」ではなく、「エンリケで〜す! 待っとったがや〜。元気ぃ?」みたいに、名古屋弁全開ではっちゃけてお迎えしました。ぶりっこをやめてカラを破ってみたのです。
そうしたら、私もびっくりでしたが、たくさん指名がもらえるようになり、新しいお客様が増えました。
それからも少し時間はかかりましたが、このことがナンバーワンになるきっかけになりました。
SNSでも“エンリケ”を出し続けた
入店して少したったころ、お店からブログを書くように言われました。
キャバクラ専門の「ナイツネット」という全国規模のサイトの「ナイツネットブログ」にアップするのですが、実は最初はイヤでしぶしぶ書いていました。
そのころ友人から「ブログの内容がおもしろくない。もっと素のエンリケを出したら」と言われて、内容を変えてみました。
その友人のブログを見たら、たしかにおもしろかったからです。
それまでは、「こんな料理をつくりました」「こんなところに行きました」「髪型を変えました」などの普通過ぎることを書いていたのですが、「痛客をしばいた」とタイトルをつけて、お客様を殴るまねをしている写真をアップしたり(ブログ上の演出です。実際にはやっていませんよ)、「警察とケンカした」(ケンカの話ばかりですが)など、思わず惹きつけられるようなタイトルをつけてアップ!
また、お店で猿の着ぐるみを着たり、変顔したり、踊ったりしている姿もアップしました。本来のひょうきんでアホな私をさらけ出したんです。
すると「おもしろい」と思ってもらえたのか反応もよく、「ナイツランキング」というキャバクラ嬢人気投票の順位がぐいぐいと上がって東海地区で1位になり、その後、「ナイツ総選挙」でも全国1位になりました。
その後、フェイスブックやツイッターでも配信し、1年前からはインスタグラムも始めました。
アップする内容は、「お店にこんなお客様がいらっしゃいました」とか、旅行に行った話、ジムでトレーニングしているところや踊っているところなど。
お店でのこともプライベートも全部アップして、素のままの私を見せました。
SNSの中でも、特に「インスタストーリー」(インスタグラムでできる動画配信)はリアルタイムで何をしているかが伝えられるので、毎日バンバンアップしています。
シャンパンがおりたら、そこでアップ。遠くから来てくださった女の子グループや、親しいお客様もアップ。
顔が出るのがイヤな方もいらっしゃるので、別の席のお客様が映らないように配慮しています。ストーリーは24時間で消えるので「ストーリーならいい」という方もいます。
最近では私生活もどんどんアップしているので、エンリケは24時間体制です。
さらけ出すメリット2つ
「ありのままの私を見せよう」と接客してよかったことが2つあります。
第1は、こちらが素でいればお客様も素顔を見せてくださって、席が盛り上がること。
キャバ嬢はきれいでかわいくなくては指名がもらえませんが、でも、それだけでは席はもたないのです。おしとやかに座って微笑んでいるキャストより、おしゃべりが楽しかったり、キャラがおもしろい子が求められています。
2番目によかったことは、ありのままを出すと、私もラクということです。
ネコをかぶって演じていると窮屈でストレスが溜まって時間が長く感じられますが、そのままの私で接客すると私も楽しめるので、あっという間に時間がたちます。
常識をぶち破って、自分らしさを追求しよう
キャバ嬢はこうあるべきという常識を破って、素の私を見せてから周囲が変わり始めました。
美人で、席ではおしとやかにしているキャバ嬢ではなく、
・カラコン&金髪してない。メイクも普通
・“すごい美人”…というわけでもない
・ボディタッチNG
・ぶっちゃけトークがおもしろい
・ブログが笑える
・インスタでは変顔して踊っている
・シャンパンを一気飲みする動画が過激過ぎる
など、“名古屋の錦に、常識をぶち破るどえらいキャバ嬢がいる”ということになり、SNSのフォロワー数が増えていきました。
直瓶(※シャンパンの瓶に口をつけて一気に飲むこと)をしてウケにウケたことで、明るく楽しく、ガッと飲むその飲みっぷりで場を盛り上げることがエンリケらしさなんだなとわかりました。
やはりエンリケは元気が一番。それが私の接客のやり方で、お客様も楽しめると思ったのです。
「売れたい」という気持ちは、絶対に忘れてはならない
よく、「指名をもらうにはどうしたらいいですか」と相談されますが、やり方はその人によって違うと思っています。
私のやり方が、ほかの人にあてはまるとは限りません。
まず、その人の性格やキャラがありますし、時代の空気もあります。運もあると思いますが、運も実力のうちです。
どんな売り方をすればいいか、いろいろ試してみましょう。
私は最初、キャバ嬢はおしとやかなほうが売れるかと思ってネコかぶりしてキャラをつくっていましたが、素のはっちゃけた自分を出してから売れるようになりました。
ブログを書いたら手ごたえがあったので、フェイスブックやインスタでエンリケのリアルを配信したら、新しいお客様に来ていただけるようになりました。
なにげなくアップしたシャンパンの直飲みがウケ、お客様は私に豪快な飲みっぷりを求めていることがわかり、“直瓶のエンリケ”をアピールしました。
その場の雰囲気をとにかく盛り上げて楽しませることが私らしいとわかったのです。
でも、どうしたら売れるかは、人それぞれ。
自分の個性は何か、得意なものは何か、何が売りになるかを考えて毎日の仕事に生かしていくと、指名され続ける人になれると思います。
売れたいという気持ちがなくて、なんとなくお店にいる人は、ぜったいに売れません。
反対に、売れたいと思う気持ちがあるキャバ嬢は努力するし工夫するので、いつか売れていきます。
それは売れたいと思えば、どう接客したらシャンパンがおりるか工夫するし、お客様との会話を磨く努力をするようになるからです。
気配りする姿勢はお客様に伝わって、「また指名しよう」という気持ちになります。一生懸命な気持ちは同僚のキャストやスタッフに伝わり、お客様に伝わります。
「応援してあげよう」というお客様が必ず出てきます。
“自分らしく”を大切にしたい!指名されるコミュニケーションテクニックが満載
エンリケさんが指名され続けた理由のひとつは、“素の自分”をさらけ出したこと。
それは、試行錯誤を続ける中で、やっと見つけ出したエンリケさんにとっての最適解でした。
私たちも周囲から抜きんでる存在になりたければ、与えられた環境の中で色々と試し、自分にとっての最適解を見つけていけば良いのではないでしょうか。
引退までの13年間、試行錯誤を続けたエンリケさんを見習って、わたしたちも職場や社会で根気強く自分の存在感を強める努力をし続けていきたいものです。
エンリケさんのほかの書籍はこちら!
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February 18, 2020 at 04:50AM
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