新型コロナウイルスの感染拡大防止策として２日から小中高校が一斉に臨時休校する影響で、精神的、経済的に余裕のないひとり親家庭は先行きの見えない不安を抱えている。岐阜地域で２人の娘と暮らすシングルマザーの女性（４６）は「毎日が綱渡り」と話す。
女性は、元夫の家庭内暴力から逃れ、２０１７年に娘たちを連れて父母が暮らす実家に戻った。
先月２８日、文部科学省が臨時休校を要請し、最初に頭に浮かんだことは「子どもを預けないと仕事に行けない。お金がなくなる」。その後、年中の次女（５）は引き続き幼稚園に、小学２年の長女（８）は学童保育に通えることになったが、当初は学童の利用要件が厳しく、働きに出られるかどうか見通せなかった。「行政からの連絡に一喜一憂する日々だ」と話す。
ウイルスという見えない脅威への不安は子どもにも伝わっている。長女には元々、注意欠陥多動性障害（ＡＤＨＤ）に似た症状があり、精神的に不安定になると暴れ出すことがある。学校で指導されたり大人たちの会話を聞いたりして「私やお母さんも感染するの」としきりに尋ねるなど動揺しているという。
学習の遅れも気がかりだ。長女は２年生になって授業についていけなくなり登校を嫌がっていたが、一緒に登下校し、通級指導も利用して頑張ってきた。「１カ月も休むと再開後はどうなるか」と案じる。
金銭面の悩みも尽きない。女性は心的外傷後ストレス障害（ＰＴＳＤ）の治療のため通院中で、１年ほど前から福祉施設でパートタイムで働く。別の会社で不定期のアルバイトを掛け持ちし月の収入は５万円ほど。児童扶養手当と父母の援助を得て生活している。
感染拡大を受け、今月のアルバイトはキャンセルになった。パート先の施設も利用者が減り、休業すれば収入が途絶える恐れがある。「わずかな収入だが生活に直結している」と不安を募らせる。
安倍晋三首相は正規、非正規を問わず休職する保護者の所得減少対策として助成金制度を新設すると表明したが「出勤日を削られたパートは対象なのだろうか」と危ぶむ。「私は実家暮らしだからまだいいが、親族に頼れず孤立しているひとり親の状況はさらに深刻。支援が本当に低所得層にまで届くことを願う」と話した。
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March 02, 2020 at 06:00AM
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臨時休校、ひとり親家庭の苦悩「仕事休んだら収入ゼロ」 - 岐阜新聞
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