
いつ終息するとも知れない新型コロナウイルスの影響で、夜の街は風前のともしびとなっている。休業を余儀なくされた店が資金繰りに苦しむ一方、働く女性たちは収入の道を絶たれた。公的支援はあるものの、職業への偏見の声に悩まされることも。「それでも、この子を守るために」。シングルマザーのアイさん=仮名、30代=は逆風の中、じっと耐えている。
「息子が赤ちゃんのとき以来かな」。朝起きて、ご飯を食べて、一緒に眠る。長い時間を息子と過ごす日々。寝顔は幼くても、もう小学2年。外で友達と遊びたいのに「今は外に出ちゃいけないもんね」。子どもなりに気を使ってくれる。
息子の成長に小さな幸せを感じると同時に、漠然とした不安にも襲われる。勤め先は熊本市内の高級クラブ。新型コロナの影響で客足は遠のき、今は感染拡大防止のために休業中だ。
4月20日にもらった「最後の給料」はコロナ前の半分以下。きらびやかな世界で働きながらも、堅実な生活を心掛けてきたアイさん。休業が続けば、子どものための蓄えを取り崩すしかないが「耐えられても3カ月。正直、怖いです」
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県の休業要請に応じたキャバレーやスナックなどの「接客を伴う飲食店」は少なくとも約600店。働く女性たちの多くは「社員」ではなく、ほとんどが個人事業主という扱いだ。自分で確定申告し、税金を納める。国が「社員」の賃金の一部を補償する雇用調整助成金は適用外となる。
頼みの綱の一つは、1人当たり10万円が支給される国の特別定額給付金。もう一つは、法人に最大200万円、個人事業主にも同100万円が支給される国の持続化給付金だ。アイさんも「きちんと支給されれば本当に助かる」と話す。
一方、県独自の支援策からは漏れた。休業要請に全面協力した中小企業や個人事業主に支払われる協力金10万円は、対象が店舗や施設の運営者に限定され、アイさんのケースは対象外とされる。
耳をふさぎたくなるような声も聞こえてくる。夜の店で働くホステスへの補償について「われわれの税金では、俺はごめん、払いたくないわ」。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんのテレビ番組での発言に、夜の業界はざわついている。
「つらいです、職業差別は。特に影響力がある人に言われると…」。知識、教養、礼儀が必須の高級クラブを「接客サービス業の頂点」と語るアイさん。国民としての義務も果たしてきた自負があるだけに、悔しさが募る。
緊急事態宣言の解除時期は見通せず、休業が続けば店の経営は厳しさを増す。自粛を乗り切った後の世界が、コロナ前と同じとも限らない。「お仕事、行かなくていいの?」。夜も一緒にいられるのが、少しうれしそうな息子が問い掛ける。そのたびに、アイさんの胸はうずく。 (古川努)
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May 03, 2020 at 04:00AM
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シングルマザー収入絶たれ「正直怖い」 コロナで夜の街休業、偏見も - 西日本新聞
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