
2022年ワールドカップ(W杯)カタール大会で史上初の8強入りを目指す日本が、12月1日(日本時間2日)のグループリーグ最終戦で激突するスペイン。16回目の出場で、FIFAランキング7位はドイツやポルトガルよりも上だ。1994年のアメリカ大会からW杯を現地で取材してきたサッカージャーナリストの元川悦子さんが、スペインの戦力と日本が目指すべき戦い方を解説する。(デジタル編集部)
10年南アフリカW杯制覇という華々しい実績を誇るスペインは、22年6月からスタートしているUEFAネーションズリーグ(欧州NL)でも、ポルトガルを抑えてグループ首位に立っており、彼らの底力は誰もが認めるところだ。
現役時代にはスペイン代表として62試合に出場し、指導者転身後もバルセロナで手腕を振るったルイス・エンリケ監督が就任したのは18年ロシアW杯直後。スペイン伝統のショートパスサッカー「ティキ・タカ」をベースに、タテに速い攻めも併用。戦い方の幅を広げつつある。
9月の欧州NLのボール支配率を見ると、スイス戦が75%、ポルトガル戦が68%と圧倒的なデータを残している。リズミカルなパスワークで試合を組み立て、人数をかけて敵陣に攻め込み、得点を奪うというのが、彼らの信条。そこに長いボールを組み込み、一発で最前線のアタッカー陣に展開するようなシーンも作れるようになった。キックの精度とパスの技術は世界一の国。その特徴を自由に出させてしまうと対戦相手はやはり難しくなる。
守備もハイプレス・ハイラインでアグレッシブに前からボールを奪いに行く形にトライしている。エンリケ体制になってから好守の連動性や即時奪還の意識がより高まった印象だ。
ただ、高いラインをキープする分、背後には大きなスペースが空く。そこを各国も研究しており、日本にとっては大きな狙い目だ。9月24日のスイス戦でセットプレーから2失点を喫して敗れたように、高さやマーキングの部分にもやや不安はある。つけ入るスキが全くないわけでも朗報と言える。
そんなスペインだが、ポジション別に主力メンバーを見ていくと、まず前線3枚はマルコ・アセンシオ(レアル・マドリード)かアルバロ・モラタ(アトレチコ)がトップに陣取り、右は打開力のあるフェラン・トーレス(バルセロナ)、左はパブロ・サラビア(パリ・サンジェルマン=PSG)という顔ぶれがファーストチョイスと見られる。左に関しては、負傷離脱していたダニ・オルモ(ライプツィヒ)もメンバー入りした。
3トップは左が中に絞ってプレーし、右のフェラン・トーレスは外に張ってドリブルで勝負するという形になることが多い。フェラン・トーレスと対峙するだろう長友佑都(F東京)らはキーマン封じを徹底させることが肝要だ。
中盤も豪華なタレントが揃っている。まずインサイドハーフはペドリ、ガビのバルセロナ10代コンビが陣取ると見られる。2人は技術、アイディア、創造性を兼ね備えたバルサ気質を持った面々で、さらに現代サッカーに必要な走力や推進力を併せ持つ。このポジションからゴール前へ一気に攻め込んで得点をうかがう場面も目立つだけに、かなりの注意が必要だ。
この若いコンビをコントロールするのが、34歳のベテラン・アンカーのセルヒオ・ブスケツ(バルセロナ)。彼ら3枚のトライアングルは世界屈指であり、対戦する側として、やりたいようにプレーさせない守備戦術を考え、実戦していくしかない。
とはいえ、スペインは2チーム分の戦力を用意していて、インサイドハーフにコケ(アトレチコ)とカルロス・ソレール(PSG)、アンカーにロドリ(マンチェスター・シティー)が入ることも考えられる。エンリケ監督もコスタリカ、ドイツとの2戦次第で日本戦はメンバー編成を大きく変えてくるかもしれない。だが、誰が出てきても破壊力があるのは間違いない。
かつてのシャビ(バルセロナ監督)、アンドレス・イニエスタ(神戸)など、世界的名選手を続々と輩出してきたスペインの中盤は絶対に侮れない。
守備陣も左サイドバック(SB)のジョルディ・アルバ(バルセロナ)、センターバック(CB)のパウ・トーレス(ビジャレアル)は鉄板だが、もう1枚のCBと右SBは流動的。CB候補者としては、久保建英(レアル・ソシエダ)のバルセロナアカデミー時代の同僚であるエリック・ガルシア(バルセロナ)、ウーゴ・ギジャモン(バレンシア)といった面々がいるが、いずれもスピードや1対1の対応に課題を抱えている。6月の欧州NL・チェコ戦でも相手に中央から背後を突かれ大ピンチを招くなど、CBの不安定さが懸念材料と言われる。そこは日本にとって狙い目だ。
右SBもセサル・アスピリクエタ(チェルシー)かダニエル・カルバハル(レアル・マドリード)のどちらが出てくるか分からない。だが、いずれにしても最後尾に位置するGKはウナイ・シモン(ビルバオ)といい連係を保ちながら、戦うことを心掛けてくるだろう。
21年夏の東京五輪の準決勝でスペインと対戦している日本は、相手メンバーの大半をよく知っているはず。とりわけ、最後の最後で一撃をお見舞いしてきたアセンシオのことを森保一監督やキャプテン・吉田麻也(シャルケ)らは忘れたことがないはずだ。
あの試合でも、スペインのボール支配率は66%に上り、パス本数も倍以上を記録。日本はしぶとく耐え忍ぶ展開を強いられた。おそらく今回も同じような戦いになるだろうが、遠藤航(シュツットガルト)や酒井宏樹(浦和)、久保や堂安律(フライブルク)などあの激闘を経験している選手が多いことは大きなプラス材料だ。
東京五輪の時はケガを抱えていた三笘薫(ブライトン)が成長し、タテへの推進力に秀でた前田大然(セルティック)や伊東純也(スタッド・ランス)らも使えるメドが立っているのも大きい。前述のとおり、スペインのハイラインの背後、特にCBの裏というのは日本最大のポイントになる。そこに侵入する形を何度作れるかで勝敗の行方は大きく変わるだろう。
1年前の東京のリベンジをカタールの地で果たせるか否か。そして決勝トーナメント進出を現実にできるのか。日本にとっては生死をかけた大一番となる。
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