中小企業などに最大二百万円を支給する持続化給付金で、国から業務を受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が業務のほぼ全てを再委託しながら、少なくとも六億五千万円を得る見通しであることが分かった。経済産業省が二十九日、立憲民主党など野党の合同ヒアリングで説明した内容を基に本紙が試算した。
経産省などによると、法人には理事・監事九人と十四人の職員がいる。国の委託費七百六十九億円のうち、97%に当たる七百四十九億円で広告大手の電通に業務を再委託している。差額の二十億円は、約百五十万件分の給付金の振込手数料や、事業管理に充てられると同省は説明した。
だが、振込手数料の積算額や、最終的に法人が得る金額については明らかにしなかった。
大手銀行の振込手数料は割高な窓口経由でもおおむね九百円前後。百五十万件に振り込むと、手数料は計十三億五千万円に上る。二十億円から手数料の十三億五千万円を引いた六億五千万円を法人が得ることになる。ネット経由や銀行との大口契約で手数料が減る可能性が高く、その場合、法人の取り分は増える。
給付金の事業は、電通などが設立した法人が電通にほぼ全ての業務を再委託している。財務省幹部は「国と電通の間に法人が入ることで事業費が増える」として、予算の無駄遣いにつながる今回の構造を批判する。 (皆川剛、桐山純平)
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