都１９年政治資金統一選や参院選で活発収入前年比２７．１％増、１５０億３０００万円 - 東京新聞

　都選挙管理委員会が十七日に発表した二〇一九年分の政治資金収支報告書は、統一地方選と参院選が重なる「亥年（いどし）選挙」の年だったことで、前年に比べて収支とも大きく増えた。収入は前年比２７・１％増の百五十億三千万円で過去十年で二番目の規模。四千百四十七団体中四千四十七団体が提出し、提出率は前年から０・５ポイント下がって９７・６％だった。　（原昌志）

【収　入】

　収入のうち最も多かったのは寄付の七十二億七千万円で前年から６３％増え、全体の約半分を占めた。うち個人寄付が半分以上で三十九億九千八百万円。政党本部などからの交付金も前年比２０・４％増の三十九億九千八百万円だった。

　政治資金パーティーは、百四十一団体が三百二十三回開催し、収入額は十一億六千百万円。

　過去最高だった前年よりも二億一千四百万円減ったが、七年連続で十億円を超えた。

　政党別の収入額順位は共産、自民、公明、立民、国民、維新、社民の順。ＮＨＫから国民を守る党は、参院選で政党要件を満たした。

【支　出】

　支出総額は前年比１４・８％増え百三十五億五千五百万円。経常経費を除く政治活動費は同２０・６％増の九十一億五千三百万円となり、うち選挙関係費は前年の約八倍にあたる九億四千二百万円と大きく増えた。

　政党支部などへの寄付・交付金は同１３・１％増で三十九億一千万円、機関誌発行などの事業費が二十二億五千万円だった。翌年への繰り越しは九十三億三千百万円。

◆パーティー収入４５０５万円　知事の資金管理団体「百成会」

　都選管が公開した二〇一九年分の政治資金収支報告書では、小池百合子知事が代表を務める資金管理団体「百成会（ひゃくせいかい）」の報告書が初めて公開された。

　同団体は政治資金パーティーを二回開き、計四千五百五万円の収入があった。会場費など千八十八万円を差し引いた利益率は７５・８％だった。

　パーティーの名称は、いずれも「小池百合子と『東京の持続可能な成長を進める』昼食勉強会」。同年二月と十一月に新宿区のホテルで開かれた。二十万円を超えてパーティー券を購入した政治団体は、都医師政治連盟（二百八十万円）、都トラック運送事業政治連盟（百万円）、連合東京・地域政策を実現する会（百万円）、東京行政書士政治連盟（六十万円）。

　ほかの主な購入者は家具・インテリアのニトリが百五十万円、都私立幼稚園連合会が五十万円など。百成会の収入はパーティーがほぼ全額で、二千五百八十九万円を翌年に繰り越した。

　小池氏は国会議員時代に資金管理団体「フォーラム・ユーリカ」を持っていたが一七年に解散。百成会は一九年一月設立で、昨年は公開対象外だった。

　一方、小池氏を支援する政治団体「百乃会」の収入は二千五十五万円で、うち個人寄付が千四百六十万円。（松尾博史）